2020年10月に開催された「ロボット芝刈機実証実験報告会」の動画をテキスト化したコンテンツです
芝刈り作業を業者委託している鳥取市内の小学校では、作業時間の制限などの理由で応札業者がなく、十分な芝刈りができていません。
適切な刈高が維持できず伸びっ放しでグラウンドの使用や芝の生育に問題が生じています。
ロボット芝刈機による無人化の維持管理方法はこれからの芝生の維持管理の可能性を秘めていると感じました
ロボット芝刈機は、走行時の騒音が全くなく、夜間の作業も可能であることを体感しました。
常時、同じ刈高をキープし続けることで芝生のコンディションが一定に保たれ、加えて労力・時間・コストの節約につながると期待されます。
当ネットワークでは、ロボット芝刈機の初期投資と保守費を4~5年の複数年の芝刈り費用と比較してどうなのか、コストに換算できないPTAのボランティ
アの労力をかけないで済むことの価値をどう評価するのか、検証していきたいと考えています。
このような課題解決の一つとして「ロボット芝刈機が役立つのではないか?」と着目しました。
それでは当日の報告発表をご覧ください。
尚、フルバージョンの動画もYoutbeでご覧いただけます。
小学校の校庭を芝生化した後に維持管理を行う上でポイントとなるのが「芝刈り」です
鳥取方式では「生えるものはとにかく刈る」が原則です
夏場は週1回刈ることで、短く横に広がる植物を増やします
そうすることで、クッション状態の「ふわふわ」な芝生になります
その芝刈りは保護者が主体になってやったり、学校の先生が行ったり、地域の方が行ったり・・・さまざまでしょう。
芝刈作業の問題点
鳥取市では平成23年度から市の教育委員会が民間に委託して、市内の小学校の小中学校の芝生を年間16回、芝刈りをしていただいております
しかし校舎と校庭が離れているなどそういった一部の例外を除き
「授業時間は基本的に芝刈りはやめてください」
「スポーツ少年団や地域が使っている時はやめてください」
などのように作業するのにも制限があり、スケジュール通り上手くいかないことが多々あります。
夜間は暗く、エンジン音も大きいため芝刈が出来ません
つまり。小学校の芝生は芝刈りができる「日にち・時間」がおのずと限られます
予定を組んでもらっていても雨だと作業が出来ません
そこで2020年1月から3月にかけましてサポートネットワークと鳥取市内の芝生化をしてる小学校との「意見交換」をしました
その中でこういった「隘路(あいろ)」なども原因になっており維持管理の支障となり状況状態が、中々良くならない!!
というような問題があることがわかりました
この写真は日進小学校です
去年の5月運動会前頃の写真ではないかと思います
この時期は気温が上がって芝生が元気になって良い色になってくれるはずなんですけれども見ていただくとわかるようにあちこちがハゲているのがわかります
この小学校は中心市街地にあります
市スポーツ少年団や地域のグランドゴルフの練習とかもあったりして鳥取市内では比較的、維持管理にかかる条件が厳しいところです
どうすれば芝刈頻度を増やせるか?
先ほど申しましたように鳥取方式の大事なところは
夏場は最低でも週一回分かる
ということです
しかし先ほどのいろんな天候不順も含めて1週間など間が空いてから刈ると(伸びすぎてから)、伸びすぎてしまって植物の元気な所、成長点と言いますがそういうところまでですね刈ってしまうことになります
これを「軸刈り」と言います
植物が一番伸びる所を刈ってしまうので植物の広がりがだんだん弱くなってきてだんだん芝生の厚みが減ってくることになります
そのため芝生を使って傷んでしまった所が、なかなか回復せずに逆に下げていくという原因になると思います。
良い芝生の状態するためには芝刈りの頻度を増やすのが必要です
予算でも含めていろんな制約条件が多いです。
そこで・・人が操作して行う必要なくて
芝刈の時間も選ばないロボット芝刈り機の導入がその問題を解決できる
この問題を解決できるのではないか??
と、サポートネットワークは考えました。
そこで本年度実証実験として小学校でロボット芝刈り機を設置稼働してみて効果を検証することにしました。
ロボット芝刈機導入について
4月25日にロボット芝刈機の代理店(三津吉商事さん)に現地においでいただいて、打ち合わせを行いました
ロボット芝刈機の機種ですが、芝生化する校庭の面積を考慮しまして450EX という機種に決定しました。
同時に「ロボットは水に浸かってしまうと良くない・・」ということなので雨の日に校庭に出来る水たまりは、あまり良くないだろう..ということで水たまりに校庭の端にある砂場の砂を運んで埋める作業を行いました。
この作業自体は特別な技術や道具は必要ありません。
簡単な作業で、子供さまにも参加いただきました
このロボット芝刈り機は芝刈りをしたい範囲の外側に境界ワイヤーというのを張りまして、そのワイヤーから微弱な電波を出します
その電波をロボットが検知してその範囲(芝刈エリア)ら外に出ないようになっています。
業者の方に境界ワイヤーと充電のための充電ステーションの設置をしていただきました
ワイヤーについてですが地面に露出してると子供が引っ掛けて転んだりまた何かのきっかけで、切ってしまったりそういうことになると良くないので特殊な機械で埋込作業していただいています
この日はサポートネットワークのメンバー以外にもPTAの執行部や学校の先生方や地域の体育会メンバーなどにも参加をお願いしました
一緒に取り扱い方法の説明など聞いていただいています
実際に動かしてみて作業する音がとても静かだということに皆様が感心されていました
設置の後は、子供がいたずらしないように学校の方で看板を設置していただいたり雨や風を避けるための犬小屋(充電ステーション)を設置してもらいました。
ロボット芝刈機の稼働時間
ロボット芝刈機の稼働時間ついてですがこの450機種が最大で5000平方メートルまでは可能となっています。
ただしこれは24時間稼働した場合の数値で、芝刈りを行う範囲の利用する条件によってできる時間が短いと対応稼働できる面積もおのずと定まります
学校が開いている時間、授業がある時間スポーツ少年団が練習してる時間、地域の方が利用している時間その他、校庭で子供がいろいろ活動してる時間。
こういった時間を避けて、稼働できる時間というのをPTAの方で設定をして頂きました
この設定はスマートフォンで簡単に設定の変更も可能ですし、GPS機能があるので、刈る場所を覚えて、場所を動いてくれます。
遠隔でモニターすることも出来ます。
これからは時間の経過を追って写真で見たいと思います
2月下旬のサッカーで練習をしてる時の写真です
寒い時期で芝生の成長も止まっていますし、ハゲでいるところも目立っています。
この写真は、5月になりますが5月16日ですが緑に覆われて、芝生が揃っているのが見て分かると思います
6月6日です
7月1日
7月18日
7月18日同じ日の写真ですが校庭の隅の境界のワイヤーの外側と内側の状態を比較できる写真です
外側は元々学校に自走式のエンジン芝刈り機があるんですけどもそれで刈った後に、2週間放置した状態です
外側はこんな感じで芝生が伸び放題になってますけども内側のロボット芝刈り機が動く範囲は芝生のカケが抑えられているのが分かると思います。
真夏の時期はすごく芝生の成長が早いのでできる限り、稼働時間を伸ばしていただきました。
今年は新型コロナウイルスの関係で小学校も夏休みが短縮になっていましたが、この期間中はPTAの方で昼間の稼働時間を1日あたり約3.4時間、延ばしていただいてます。
8月9日、8月20日の様子です。
9月5日ですがすごく暑い時期で少し見えづらいですが、校庭に何か所か刈残しが出ているのがわかります。
とくに配管側の方が少し刈残しが残っているのが分かると思います。
9月12日と20日です
この時期になると少し涼しくなってきて成長も治ってきましたけれども
刈残しも目立たなくなってきています。