ロボット芝刈機実証実験報告(後編)

ロボット芝刈機のメンテナンス費用について

機械のメンテナンスの状況です

何らかの異常等があって停止した場合は、スマートフォンに信号が行き、遠隔で異常を知ることができます。

期間中のトラブルとしては5月の連休中に校庭にロープが落ちていました。
そのロープを巻き込んで止まってたことがあります

また充電のステーションに戻るために、ガイドワイヤーを伝って帰るのですが、そのワイヤーが地面から出て巻き込んでしまって止まっていたことがあります。

他にも充電ステーションに戻る途中に、勝手に止まってしまった事が何回かあるようです

このような小さいトラブルはありましたが、大きなトラブルはありませんでした。

ガイドワイヤーついては、美津吉商事さん(施工業者)に埋めてもらいました。

2-3ヶ月に1回歯の交換が必要です

ただしこれも簡単な作業で、ドライバー一本で簡単にできます。

ロボット芝刈機導入後の学校関係者の評判は?

今までは「運動会が近づくのに草刈りが中々できなかった」ということがありました。
しかしロボット芝刈機導入後はその心配もなく、「今年は助かりました.」と言われました。

騒音や駆動音に関しても、芝刈りの音が静かなので全然気になりません。

またグランドゴルフでも、すごくボールが転がりやりやすくなったと聞いております。

サッカースポーツ少年団のケースです。

監督ともよく話をしますけれども今年去年に比べると状態も良くなったので、気持ちよく練習ができるし、子供たちも喜んでいるとのことでした。

また刈くずの処理も不要になったのがメリットの一つです。

芝生が伸びてるから芝刈り機で刈ると、たくさん刈くずが出ます。
今までは子供達を動員して刈りくずを取る作業も必要でした。

しかしロボット芝刈機では実際に刈り込むのは、本当にほんの数ミリ程度です。

そのためほとんど狩りくずが気になりません。

したがって、猛暑の中での作業も問題ありません。

業者や作業員さんが暑い中、作業する必要もありません。

芝生の維持管理とロボット芝刈機の今後

まとめです。 
芝刈り機の大きなトラブルはなくて概ね順調な維持管理が出来ました。

また、真夏のよく伸びる時期において若干硬くて先の長い草が若干残りました。
夏休みで稼働時間を増やすことで解消に向かいました。

これまでは、

「芝生の状態がどうも悪いんだけど、どうすれば良いのか分からない」

そういった事もありました。

しかしロボット芝刈り機を設置したことによって、関係のみなさんがこれまでより、芝生のことを気にかけてくれるようになりました。

今までは「手薄かな?」と思っていた「水撒き」であるとか、「肥料やり」など徹底していただくことによって日進小学校の芝生の状態は改善がみられました。

費用対効果についです。


本体の購入価格と充電ステーションとワイヤー設置工事、消耗品費など4年間の合算で、73万円と計算できます。

電気代もかかりますが非常に電力の消費もわずかなものです。
無視できる範囲だと思います。

機械の耐用年数についてですが、カタログ上は約5年から6年という記載になっていますが、厳し目に「4年間」ということで計算をしております

鳥取市が芝刈の業者委託しているものと比較すると、1回あたり10円で積算していると聞いています。

日進学校では1年間で64万円という試算が行えます。

これは積算価格でありまして実際の契約を面積割すると38万円。

4年間かけると152万円ということになります

152万円と73万円を比較しますと、芝刈業務委託をロボット芝刈り機に切り替えをしてもこの日進小学校では2年もせずに元が取れるということになりました。

今後の展望です

現在、鳥取市内には校庭を全面的に芝生化してる学校が6つあります。


これらの学校について関係者の合意が取れたところからですけれども、ロボット芝刈機に切り替えることを考えていただいてはいかがでしょうか?

芝刈の委託についても、最近は作業員の工賃も上がったり人手が不足していたりして造園業者さんも、なかなか芝刈り業務の委託も行うのがツライとも聞いております。

今回の実証実験で明らかになったようにコストも削減されます

機械の維持も手間もあまりかかりません。

芝生の維持管理の質の向上も期待できます。


また校庭を芝生にした当初はPTAや学校地域の方々も熱心で時間でも丁寧に行われます。 が・・

年が経って、メンバーが変わっていくとだんだん忘れられていきます。

今回の日進小学校も芝生化してから7年以上経って先生方ももちろん、PTAの方も当時のことを知る方はほとんど残っていないと聞いています。

ロボット芝刈り機を通じて維持管理のあり方を考えといただく。

それをきキッカケにしてそれぞれの校庭の条件状況をみなさまで点検いただき、面積や児童数、利用実態・・いろいろな団体の利用状況なども含めて見つめ直して頂き持続可能な維持管理の在り方について皆さんで考えていただきたいと思っています。

その際には私たち「鳥取方式®の芝生化 全国サポートネットワーク」へご相談ください。いろんな人がいますので相談に乗ってくれると思います。

専門家の力も借りながら、これらのことを実践していく事によって地元の行政と連携して鳥取方式の発祥の地であるこの鳥取から校庭芝生化のお手本となるモデルを発信していくことができるのではないかと考えます。